• Diocletian - War Of All Against All

ニュージーランドブラックメタル、2010年作。
アイルランドのInvictus Productionsよりリリースされた。


ズンズン重苦しく攻撃的なリフ、禍々しいトレモロ、ソロ、
ズンドコゴロゴロハイテンションブラスト、ロールで吹っ飛ばすドラム、
ウギャウギャグオグオガナリ吼えるVo、
ギュイギュイノイズ(「Fortress Of The Unconquerable」のみ)、
雨風SE等が絡む。


基本1stの延長線上といえる、暴虐極まるリフ、ドラム、
ガナリ・咆哮が絡んで突き進むWarスタイルなブラックメタルをやっている。
ドラムの暴走ぶりがRevengeを彷彿とさせ、これまた格好良し。
Revenge+ Archgoatとでも言えば良かろうか。
音質もクリア過ぎず、篭り過ぎずの良いバランスで
WarBlackとして理想的な塩梅・迫力。


そんなわけで、前作が好みであればもちろん、上に挙げたようなWarBlackが
好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。



  • Black Howling - A Soul Departed to the Unknown

ポルトガル産鬱系ブラックメタル、2010年MCD。
ポルトガルのDiscipline Recordsよりリリースされた。
ケース裏には購入者の名前を入れてくれる。


ジリジリした音質で鳴らされる寂しく暗いリフ、アルペジオ
ドシャドシャシャンシャン生々しい音質で鳴らされるスロー・ミドルドラム、
冷たく寂しいキーボード、嘆き悲しむかのようにガナルVo等が絡む。


非常にRawな音質で物悲しげに進んでいく、鬱系ブラックメタルを展開している。
キーボードの使い方やリフ等から、Burzumに影響を受けているだろうと予想できる。
ただ、陰鬱なミニマル展開から、稀に暴走展開へと進む展開では、
BlackLegions辺りの荒々しさを感じることも出来る。
また、この生々しく怪しげな雰囲気は、オーストラリアWinterreichや
Asgard Musik関連等にも通じるものがあろうか。


そんなわけで、Burzum(3rdや4th)、上に挙げたレーベル関連の音が
好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。


  • Aurvandil - Ferd

フランス産アンビエント/ブラックメタル、2010年作。
フランスのCold Void Emanationsよりリリースされた。


寒々しく神秘的に掻き鳴らされるトレモロリフ、
「ズダダダダッ」とミニマルに疾走する打込みドラム、
遠くのほうでウギャウギャガナルVo、
冷たいキーボード、チェロ等が絡む。


ジャケから彷彿とさせられるような、寒々しい山々が頭に浮かんでくる、
神秘的で冷たい、アンビエントな雰囲気漂うブラックメタルをやっている。
雰囲気としてはDarkspaceに近い作風と言えるが、
こちらはスペーシーな雰囲気はあまり強くない。
キーボードの醸しだす冷たさはVinterriket、
冷たいトレモロ、ミニマルな展開はDarkspace
(またはPaysage d'Hiver)と言った感じだろうか。
ミニマルにしたNocternityにも聴こえる。


そんなわけで、上に挙げたようなバンドや、
(最近の)Borgne、Coldworld、Lustre辺りの
冷たく神秘的キーボード入りブラックメタルが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。