ねこぢる食堂

ねこぢる食堂


可愛い猫の絵とはウラハラに、非常にシュールで残酷な内容の漫画を描くことで
有名な漫画家さん(故人・自殺されました)の漫画。
これは、作者が様々な雑誌で描かれた短編を1冊にまとめたもの。
初版は平成9年。現在は文庫版も出てるのでそっちがいいかと。



この人の本では毎度の事だが、今回もシュールで残酷な仕様。
主人公の猫が、罪の意識など微塵も感じず他の登場人物を殺しまくったり、罵倒したり…。
このシュールな残酷さを例えるなら、現実の子どもが罪の意識を覚えずに、
ひたすら昆虫などの弱い物を無差別に殺しまくっている図の如しか。



作者の自殺という事実を前情報で知っている場合と知らない場合でも
読後の印象が変わりそうな漫画でもある。(WarshipやMALVERYを聴いた時もそうだった)。
漫画の後半では、ぢるぢる見聞録なる作者の毒舌紀行も描かれており、
これも色々な意味で味がある。


ギャグ漫画(電波系?)としてカテゴライズされるのだろうが、何分シュールで残虐な為、
まったく笑えない。(まあ、ガロ系の漫画(山田花子など)に共通して言えることか。)
だが、中毒性があり、読みふけってしまうのは
かわいいキャラクターと残虐性のミスマッチさが故か。


ちなみに、現在は故ねこぢる氏に代わり、夫である山野一氏(こちらもアクが強い)が
ねこぢるy名義で後を継いでいる。
絵は彼のほうがうまい。


はてなのキーワードにも書いてあるが、お通夜でAphex Twinを掛けるとは粋な事をする。
自分のお通夜ならOVALとDxOxとSILENCERを掛けて欲しいなと思う今日この頃。
ちなみに、自分の持ってるCDで作られた棺に入ることが夢でもある(火葬場の許可が得られなそうだが)。