• Theoria - Mantra

シリア産アトモスフェリックブラックメタル
2013年にフランスのAntiq RecordsがTape化、
その後2014年同レーベルよりCD化された。写真はCD版。
Crescent Moonのメンバーが絡んでいる。


暗く、神秘的にかき鳴らされるトレモロリフ、
重苦しく刻まれるリフ、アルペジオ
時折疾走するがミドル主体で鳴らされる生っぽい打ち込みドラム、
ウギャウギャガナルVo、薄ら被さる靄のようなキーボード・ピアノ等が絡む。


ジャケもそうだが、全体的に暗く神秘的空気が漂う
ブラックメタルを展開している。
暗く適度に陰鬱な雰囲気・展開はアメリカのXasthur(ただし音の輪郭ははっきりしている)、
重苦しく刻まれるリフ・展開はスイスのDarkspace等に通じるだろうか。
彼らが実際音を聞いて影響を受けているかはわからないが、
Xasthur+Darkspaceと言えるようなアルバム。
シリアというとニュース等で映し出される倒壊した建物等混沌とした風景が
思い浮かび、音の方もペラッペラ・シケッシケなのではないか?
と聴くまで思っていだが、まったくそんなことはないので、
音質が気になっている人も安心だろう。(むしろペラッペラな方が良い人もいるだろうが)
例えるとこれまたDarkspace等に近い音質。


そんなわけで、上に挙げたようなアトモスフェリック/アンビエントブラックが
好みであればもちろん、カナダのNeige et Noirceur、スイスのBorgne、
スウェーデンのBloodline等が好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。