• Panopticon - Social Disservices

アメリカ産ブラックメタル、2011年作。
アメリカのFlenser RecordsよりCD及びLPでリリースされた。


寒々しく神秘的に、靄がかった雰囲気で掻き鳴らされるトレモロ・リフ、
ズンズンと刻まれるドゥーミィーな要素もあるリフ、
緩急つけてパカパカ叩かれるドラム、
遠くのほうから響き渡るヒステリックなガナリ、
冷たいキーボード、子どもの声SE等が絡む。


過去作では儚いシューゲイザートレモロやアコースティック要素が
あったが、本作では薄められており(まったく無いと言う事はない)、
本作では全体的にアトモスフェリックで疾走感のあるブラックメタルを展開。
ジャケのように灰色、靄のかかったような音質、
そして寒々しく、時に重苦しく展開される楽曲はとてもミステリアスであり、
美しくもある。空間的なキーボード、音質、重苦しい雰囲気と寒々しさは、
スイスのDarkspace辺りをも彷彿とさせるか。
遠くのほうで響き渡るガナリも、楽曲の冷たさをより引き出している。
特に儚いシューゲイザートレモロを絡めたラスト「Patient」は涙腺にくる。


そんなわけで、若干アコースティック・シューゲイザー色は薄められた
感はあるものの、神秘的でメロウな展開は相変わらずなので、
過去作が好みであればもちろん、Krallice(本作のスタジオ編集にメンバーが絡んでいる)、
Wolves In The Throne Room等のブラックメタルガ好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろう。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20110815
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20110525
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20101012
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20101005
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20100427