• Beherit - At the Devil's Studio 1990

フィンランドブラックメタル
本来は1stアルバムとしてリリースされる音源だったが、
2011年にようやくフィンランドのKvltより発掘、リリースされた。


ズンズンとスラッシーに、暴虐的に刻まれるリフ、テンション高いソロ、
緩急つけてパコパコ叩かれるドラム、
「ヴォッヴォッヴォ」と汚らしく吐き出されるデスVo、中音域ガナリVo等が絡む。


初期衝動・アルコールの勢いで一気に作り上げられたかのような、
非常に荒々しく、暴虐的、RawなWarスタイルのブラックメタルを展開。
時代が時代ということもあり、スラッシュ・オールドスクールデスからの影響が色濃い、
しかしそれらよりもVoを含め独特・極悪な瘴気を放っている。
同時期に録音されている『The Oath of Black Blood』と曲タイトル等で
被る部分もあるが、ヴァージョンが違っているため、また違った曲として楽しめる。
というよりも、長年寝かせたからかわからないが、Demoの詰め合わせであった
『The Oath of Black Blood』よりも極悪な音質となっている(音飛びもある!)。
とはいえ、このRawで粗い質感がアンダーグランドブラックメタルらしい胡散臭さで素敵
似た路線とすれば、同じくフィンランドで活躍しているArchgoatに通じる。


そんなわけで、『Drawing Down the Moon』までの音源が好みであったり、
上に挙げたようなバンド、Deiphago、GoatPenis等の東南アジア、南米の
Warブラックメタルが好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20090411