• Nargaroth - Spectral Visions of Mental Warfare

ドイツ産アンビエント/ブラックメタル、2011年作。
写真はCD盤と5曲のボーナスが追加されているLP盤。
ドイツのNoCloursよりリリースされた。


切なく儚げなリフ、スロー・ミドル主体でボコボコ鳴らされるドラム、
遠くの方で響き渡るガナリVo、泣き喚き語り、
暗く、冷たく、神秘的なキーボード、ピアノ、
インダストリアル/テクノなウニョウニョキーボード、
雨音、獣の鳴き声、叫び声SE、打込みドラム等が絡む。


今までの作品とはかなり路線が異なり、
アンビエント要素・鬱要素の強い展開となっている。
ブラックメタル曲に関しては、寒々しいトレモロはほぼ皆無で、
ゆったりとした物悲しげリフが鳴らされ、
さらにキーボードの割合も増え、Burzumの『Filosofem』辺りを
彷彿とさせる使い方をしている。


アンビエント曲はBurzum、Garden of Grief 、Marblebog、
MolochやTrist辺りを彷彿とさせるダークで神秘的・ペイガンなものや、
インダストリアル/テクノな味付けを施した物等を収録。
また、LPのボーナスに関しては、全てアンビエント曲となっている。


初聴時は、今までの路線とあまりにかけ離れているアルバムで、
かなり戸惑いはあったものの、アンビエントインスト曲はブラックメタル的怪しさ、
冷たさを含み、ブラックメタル曲は悲しげ・神秘的な雰囲気溢れる楽曲で、
アルバム一枚通して楽しめる作りとなっており、結果、何度も聴きとおしていた。
ただし、アンビエント要素がかなり強いので、
Burzumの『Filosofem』から『Hlidskjalf』辺りまでが楽しめないと、
かなりツライ作品であるかもしれない。


そんなわけで、今までの作品とは路線が異なってはいるが、
上に挙げたようなBurzum作品や他バンド、またNargarothの
「Into The Dead Faces Of Aftermath」、「Prolog」、
「Das Schwarze Gemalde」、「Thinking Below The Ocean」辺りの
アンビエント作品等が好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20100425
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20090924
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