• Quintessence - Le bourreau de Tiffauges

フランス産ブラックメタル、2011年作。
フランスのArmee de la Mort Records=Legion of Deathより
リリースされた。Manzer、Angmar等のメンバーが絡んでいる。


寒々しく儚げに掻き鳴らされるトレモロ・リフ、アルペジオ、ソロ、
緩急つけてツカカカカッと叩かれるドラム、
ゆっくりとガナリ吐き出されるフランス語中音域Vo等が絡む。


基本今までの作品同様、フランス的儚くメロウなトレモロ
疾走感が上手く合わさった、メロディックブラックメタルを展開している。
哀愁漂うトレモロももちろん素敵だが、
時折同じく哀愁を漂わせたフレーズを入れてくるBassも良い仕事をしている。
また、ギターソロもしっかりと哀愁を漂わせた正統派メタル的ソロで悶絶。
(特に「Vos Obsecro」の寒々しいトレモロとの掛け合いと言ったら)
似た路線を探すとすれば、同じくフランスで繋がりのあるAnnthennath、
Angmar、Sael、イタリアのMelencolia Estatica、Frostmoon Eclipse辺りに近いだろうか。
Legion of Deathらしくジャケは邪悪・胡散臭げだが、音は正反対。
難点は、少々音量が小さいところだろうか。(まあ、これは編集で対処可だが)


そんなわけで、今までの作品が好みであればもちろん、
上に挙げたようなメロディックブラックメタルが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20100220
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20091025
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20081105
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20070818
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20070802


  • Totalselfhatred - Apocalypse In Your Heart

フィンランドブラックメタル、2011年作。
NordlysやKorgonthurus、元Horna、
Slugathor等のメンバーが絡んでいる。
フランスのOsmose Productionsよりリリースされた。


靄がかった雰囲気で掻き鳴らされる神秘的で寒々しいトレモロ・リフ、
メロウなクリーンギター、アルペジオ、緩急つけてバコバコ叩かれるドラム、
アトモスフェリックなキーボード・ピアノ、
ウギャウギャガナルVo・囁き等が絡む。


フィンランドと言えばノリノリリフや哀愁漂うトレモロ
イメージとしてあるのだが、本作は靄がかった空気を放つ
神秘的ギターやキーボードが印象的なアトモスフェリックなブラックを展開。
前作でも書いた気がするが、ドイツ産辺りを彷彿とさせる。
また、前作より空間的ギターが増え、若干だが所謂ポストブラックメタルに近づいた気もする。
似た路線を探すとすればドイツのDrautran、Farsot、Ekpyrosis、Coldworld、
アメリカのKrallice、Wolves in the Throne Room、イギリスのFen辺りに近いだろうか。
涙腺に来るメロウなクリーンギターも印象的。
ジャケは前作と比べると何かブラックメタル的胡散臭さが漂っているが、
音の方は神秘的・メロウで非常に良質。


そんなわけで、前作が好みであればもちろん、上に挙げたような、
アトモスフェリック/シューゲイザーなメロウブラックメタルが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20100819
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20100123
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20090730
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20090728
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20081124
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20081016
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20080815
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20071101
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20070709
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20060709