イギリス産ポストロック/ブラックメタル、2011年作。
イタリアのCode666よりリリースされた。
Wodensthrone等のメンバーが絡んでいる。


柔らかく、、儚げに掻き鳴らされるトレモロ・リフ、アルペジオ
アコギ、同じく悲しい雰囲気でゆっくり弾き出されるBass、
緩急つけてドコドコ叩かれるドラム、
ウギャウギャガナルVo、クリーンVo、
冷たく被さるキーボード等が絡む。


基本『The Malediction Fields』の流れを汲んだ、
印象的な儚げなトレモロ・リフメインで進んでいく、
シューゲイザー要素を取り込んだブラックメタルを展開している。
ブラックメタル的寒々しさ、哀愁というよりも、
よりポストロック/シューゲイザーな要素を取り入れていると言える。
邪悪さは一切感じられないものの、メロウで美しく、
そして柔らかく儚い楽曲が詰め込まれている。
これはブラックメタルリスナーというよりもMogwaiやPelican等の
所謂ニューゲイザーバンドが好みの方のほうがイケるのではなかろうかとも。


そんなわけで、前作のシューゲイザーな雰囲気ある楽曲が
好みであったり、上に挙げたようなシューゲイザーバンド、
Agallochの新作、Alcest、Forgotten、Skagos、
最近のDrudkh辺りが好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。


ちなみに、A5ジャケ盤のほうには2曲追加ボーナスが入っているので、
買えるのであればこちらのほうがお徳。
こちらは空間的なアコギ、キーボード、靄のように漂う擦れ気味Vo等が
絡む、アンビエントな雰囲気溢れる楽曲。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20090217


  • Monarque - Diatribe

カナダ産プリミティブブラックメタル/ダークアンビエント、2010年3’CDREP。
本人のLes Productions Heretiquesより99枚リリースされた。
Blackwind、Carrion Wraith、Sui Caedere、Pestroyer等の
メンバーが絡んでいる。


儚く神秘的、寒々しいトレモロ・リフ、アルペジオ
緩急つけてペコペコ叩かれるドラム、
冷たく靄がかったキーボード、ウギャウギャガナルVo、
ノイジーなリフで進むDrone展開等が絡む。


初期はDarkthroneやSatanicWarmaster等を彷彿とさせる部分があったが、
本作ではここ最近の路線同様、儚く神秘的且つ寒々しい展開で進む
プリミティブブラックメタルを展開している。
ちなみにブラックメタル曲は「Eloge de la Malveillance」のみと
なっており、「Nous, prophetes de l'interdit」は荘厳なピアノ・オルガンの
上に、耳障りなガナリ語りが被さるIntro的なもの、
「Anti: Un portail funeste」は耳障りで重いリフが続く
Drone/ノイズの後に物悲しげな笛、チェンバロ等のクラシック演奏で幕を閉じるインスト。
どちらも背徳的で良いが、やはり収録曲の少なさが残念。


そんなわけで、ブラックメタル曲に関しては最近の作風が好みであれば、
その他曲に関しては、Gnaw Their Tongues辺りが好みであれば
楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20100825
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20090105
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20081230
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20081224