• Unjoy - Worthless Life End

フィンランド産鬱系ブラックメタル、2010年作。
メキシコのSelf Mutilation Servicesよりリリースされた。


ジリジリした音質で儚く・陰鬱にじっとり鳴らされるトレモロ・リフ、
アルペジオ、スローテンポ主体でボコボコ鳴らされるドラム、
苦しげなガナリVo等が絡む。


Hypothermiaのカヴァーが入っていることからも想像できるとおり、
彼らからの影響が強く窺える、スロー・ミドル主体の陰鬱ブラックを展開している。
どの曲も儚さと暗くジメジメとした雰囲気溢れる楽曲を聴く事ができ、
ネガティブっぷりが素敵。
似た路線を探すとすれば色々あるだろうが、簡単に言えば
Self Mutilation Servicesの所属バンド音源や、Insikt所属バンド音源に近いだろうか。
(そういえばバンド名もInsikt関連だ)


そんなわけで、上に挙げたレーベルリリースが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。



  • Vom Fetisch der Unbeirrtheit(V.F.d.U) – Psychohygiene

ドイツ産ブラックメタル/ダークアンビエント/ノイズ、2010年作2枚組。
中国のTemple of Torturousよりリリースされた。
100枚DieHardバージョンにはポスター、ホルマリン漬の赤ちゃんネズミが付いてくる。


展開多めに寒々しく、荘厳、不穏に掻き鳴らされるトレモロ、リフ、
緩急つけて同じく展開多めに叩かれるドラム、
泣くような苦しみ呻くようなガナリ、ノイズ、テクノ打込み、キーボード等が絡む。


Disc1は展開多く進んでいく変態性の高いブラックメタルを、
Disc2はノイジーで不穏なリフや耳障りなノイズ等を絡めた
インダストリアル/ダークアンビエントな楽曲を収録。


Disc1はフランスのCYTやノルウェーSjodogg辺りをさらに変態にした感じとでも言えばよかろうか。
泣くような呻くようなドイツ語ガナリVoも、ヘンテコな雰囲気漂う楽曲を
さらに怪しく味付けしており、クセはあるものの素敵。
食材で言えば、珍味な部類。


後者は耳障りなノイズ音、ノイジーなリフや打込み、
ウニョウニョキーボード、ピアノ、語り等が入った
インダストリアル/ダークアンビエントだが、
こちらもなかなか不穏・薄気味悪くて良い感じ。
同じくドイツのTristやイタリアのVEGA、ポーランドのCssaba、
アメリカのTemple Of Not辺りに似た雰囲気があるだろうか。
「Schandungszyklus」のリフは、同じくドイツのDarkTribe1st、
2nd辺りに通じる不穏さでもあるか。
打込みテクノな楽曲は、Juan AtkinsやPlus 8・Minus辺りの
デトロイトテクノな雰囲気を醸しだしており、懐かしさも。



そんなわけで、なかなかアクの強いバンドではあるが、上に挙げたようなバンドや、
Blut Aus Nord、Jumalhamara、Lugubrum辺りの割と癖のあるバンドが
好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。