■ - （FUTANARIイイ(・∀・)！）酒くれ日記(Sakekureイイ！(・∀・)）

Psychomantum/Nachtmahr - Minas/Morgul

両者ドイツ産ブラックメタルによるSplitLP、2010年作。
自主制作として500枚リリースされた。

ジャケがオーストリアのSummoningを彷彿とさせるように、
音の方も彼等の作品を彷彿とさせる、
中世的・神秘的なキーボード・ピアノ、チリチリしたメロウなトレモロ、
ガナリVo等で進んでいくメディーバルブラックとなっている。
どちらの作品も（2ndからの）Summoningが好みであれば、
間違いなく楽しめるだろう作品。
どちらも1曲ずつしか収録されていないのが残念。
関連：
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20100617

Karg - Von den Winden der Sehnsucht No.2

オーストリア産ブラックメタル、2010年作。
ドイツのKarge Weltenよりリリースされた。

寂しげに、寒々しげに掻き鳴らされるトレモロ・リフ、アルペジオ、
ミドル主体でボコボコ叩かれるドラム、
冷たく神秘的なキーボード・ピアノ、
ウギャウギャガナルドイツ語Vo、会話SE等が絡む。

前Splitではポスト・ブラックメタル的な雰囲気を漂わせ、
次作はそういった路線になるのだろうか、と思っていたが、
そうではなく、『Von den Winden der Sehnsucht No.2』というタイトルどおり、
『Von den Winden der Sehnsucht』の流れを汲んだ作品となっている。
寂しく、儚く、寒々しく進む展開は、以前も書いたように
Nargaroth辺りのドイツ産ブラックメタルを彷彿とさせる。
ただNargarothよりも、寂しげな雰囲気が若干強いだろうか。
聴いているとまさに、ジャケット絵のような寂しげな光景が頭に浮かんでくる。

そんなわけで、『Von den Winden der Sehnsucht』が好みであればもちろん、
上に挙げたようなバンドや、Aesculetum、Angra Mainyu、Klage、Kargvint、
Kaltetod、Licht Erlischt辺りのブラックメタルが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。

Graupel - Am Pranger...

ドイツ産ブラックメタル、2010年作。
ドイツのVanよりリリースされた。
Nagelfar、Endstille、Verdunkelnのメンバーが絡んでいる。

勢いよく、荘厳、寒々しく掻き鳴らされるトレモロ・リフ、アコギ、
力強くブラストや2ビート等を混ぜ込んで突っ走るドラム、
ドイツ語でテンション高くガナルウギャウギャ、クリーンVo、
薄らかぶさる靄キーボード等が絡む。

基本ブラスト全開で突き進む、前アルバム「Heimkehr」辺りの
勢いを持って展開されるファストなブラックメタル。
ドラムの音圧が上がったため、よりストロングスタイルになった印象。
テンション高いドラムに、寒々しいトレモロ、そしてZingultusの
伸びやかなガナリVoは非常に格好良し。
変化としては音圧の他に、『Auf alten Wegen...』で聴かれた
浮遊感のあるギターは本作では無くなっていることか。
あの浮遊感は、Verdunkelnでも聴けるので、差別化を図ったのかもしれない。

難点は、1stから時間が経っているにもかかわらず、
(大体、去年辺りにリリースされるはずだった気が)
アルバム収録時間が若干短いことだろうか。
「Outro」は7分のダークアンビエントインストとなっているので、
ブラックメタル曲は実質37分。
後10分ぐらい浸りたかった。（まあ、それだけ彼等の曲が魅力的という事ではある）

ちなみに、現在抜けているRatatyskeがこのアルバムではドラムを叩いている。

そんなわけで、前アルバムの2ビート・ブラスト全開で突っ走る部分が
好みの方や、Graven、Total Hate、Cendres de Haine、IAD辺りが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。