• Massemord - Notes of Antihate Profound

ポーランドブラックメタル、2010年EP。
ポーランドのPagan Recordsよりリリースされた。
FuriaやFDS、CSSABA、Morowe等のメンバーが絡んでいる。


ズンズン刻まれる攻撃的リフ、荘厳で寒々しいトレモロ
緩急つけて叩かれるドラム、ギャアギャアガナルVo等が絡む。


いつもどおりのMassemord節が冴える、
ポーランド的攻撃性と薄らメロウなトレモロが絡まった、
勢いあるブラックメタルをやっている。
緩急のつけ方も上手く、非常に格好良し。
メンバーが同じFuriaはプログレッシヴ/ポストロックな方向へ舵を切り始めたが、
こちらは攻撃性・勢い重視ということで、明確な差別化が図られている。


そんなわけで、2曲入りという物足りなさが残念だが、
今までの作品が好みであればもちろん、
初期Furiaや最近のAbusiveness、Mor Dagor、Mord(nor)、
Besatt辺りの攻撃的ブラックメタルが好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。


近々アルバムもリリースされるようなので、楽しみだ。
(1曲35分という大作になっているようだが、プログレッシヴな方向へ行くのだろうか?)


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20100519
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20091114
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20090312
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20080615
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20071202
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20071205
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20071203


  • Glass Coffin/One Master - Split

アメリカ産プリミティブブラックメタルによるSplitTape、2010年作。
アメリカのPeasant Magikより100本リリースされた。

  • Glass Coffin

寒々しく哀愁を漂わせたトレモロ・リフ、
ボコボコ緩急つけて進むRawドラム、
遠くのほうから響くどことなく悲痛なガナリVo等が絡む。


基本Darkthrone4th辺りに強く影響を受けただろう
寒々しいプリミティブブラックメタルをやっている。
Voは若干悲しそうな雰囲気でガナル。
MolochともSplitを出していたが、Molochに若干通じる部分も。

  • One Master

オールドスクールなズンズンリフ、寒々しいトレモロ
トコトコ緩急をつけて叩かれるドラム、
ウギャウギャガナルVo等が絡む。


こちらもDarkthroneに影響を受けた雰囲気あるプリミティブ
ブラックメタルをやっているが、2ndと3rd、そして若干4thの
寒々しさを入れた感じとでも言えばよかろうか。
最近のバンドだと、同じくアメリカ産Ash Pool、スウェーデンのCraft、
Pestと言った辺りが近い雰囲気を持っているだろうか。
オーソドックスながらも格好良し。


そんなわけで、どちらも過去音源が好みであればもちろん、
上記に挙げたようなブラックメタルが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20090807


  • Singhasari - Kebangkitan Nusantara

マレーシア産プリミティブブラックメタル、2010年EP。
写真はアメリカのOctober's Mist Recordsより100枚CDRでリリースされたもの。


湿気た音質で掻き鳴らされる寒々しく適度に哀愁漂わせたトレモロ・リフ、
パココココと乾いた音で鳴る緩急付いたドラム、
マレー語でギャアギャアガナルVo、怪しげに語るクリーンVo、
呪術儀式的なSE(?)等が絡む。


湿気た寒々しくメロウなペイガン風味のリフメインで進むプリミティブブラックを展開している。
さらに、バンド写真等からも想像できるように、
マレー語で気の抜けたように語るクリーンVoや合間に挟まれる
呪術SE(?)等が独特の怪しさ・胡散臭さを醸しており、個性的。


似たバンドがあまり浮かばないが、怪しげな雰囲気というと
メキシコのXibalba、フィンランドのDead Reptile Shrine、
スリランカのFuneral in Heaven等が近いだろうか。
東南アジア産というと、スラッシュに強い影響を受けたWar路線ブラックが
多いイメージなのだが、それらとはまた違った胡散臭く泥臭く、メロウなブラックメタル


そんなわけで、上記に挙げたような怪しげブラックメタルが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。