• Cold Body Radiation - The Great White Emptiness

オランダ産ブラックメタル、2010年作。
イタリアのDusktoneよりリリースされた。


幻想的で柔らかく、儚げに掻き鳴らされるトレモロ・リフ、アコギ、
緩急つけてバシバシ叩かれるドラム、
中音域でギャアギャアガナルVo、
薄ら被さるキーボード・ピアノ等が絡む。


シューゲイザーな柔らかく儚げなトレモロ満載の、
所謂シューゲイザーブラックメタルをやっている。
現在この手の音は、幻想的/疾走感のあるWolves in the Throne Roomの
ような路線と、泣き喚き絶叫/悲しげな鬱系ブラックメタルと合わせたものがあると思うのだが、
本作は前者に分類されるだろうか。あまり絶望感・鬱々しさは感じず、
儚く柔らかいシューゲイザーな雰囲気が前面に出ている。
割合としてはシューゲイザー7割、ブラックメタル3割(主にVoとブラスト)と言った感じ。
上で挙げたバンドの他にAlcestやPanopticon、Njiqahdda辺りにも近いと言える。


そんなわけで、上記に挙げたようなもの他、
Sorgeldom(2nd)、Krallice、Skagos辺りの
(ポスト)シューゲイザーブラックメタルが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。

  • Moredhel - Satanik Endsieg

ドイツ産プリミティブブラックメタル、2010年作。
Slaktareのメンバー等が絡んでいる。
韓国のMisanthropic Art Productionsよりリリースされた。


薄ら哀愁を漂わせ寒々しく掻き鳴らされるトレモロ・リフ、
シャンシャンドカドカ緩急つけて叩かれるドラム、
中音域でギャアギャアガナルVo、語りVo等が絡む。


古くはDarkthroneのTransilvanian Hunger、
同じドイツではNargaroth辺りを彷彿とさせる、
寒々しいトレモロリフが印象的なブラックメタルをやっている。
Nargarothはアルバムによって若干路線が違うが、
アルバムで例えるならば『Black Metal Is Krieg』
『Prosatanica Shooting Angels』『Semper Fidelis』辺りに近いだろうか。
さらに、本家Kanwulfも本作で一部Bass、アルバムのミックス等で絡んでいる。
それもあり、非常にNargarothに近い音質でもある。
また、VoもKanwulfに影響を受けたかのようなガナリを聴かせ、非常に格好良し。


そんなわけで、上記に挙げたようなブラックメタルバンドが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。