• Paysage d'Hiver/Lunar Aurora – Split

前者スイス産アンビエントブラックメタル
後者ドイツ産アンビエント/シンフォニック・ブラックメタル、2004年LP。
ドイツのEternity Recordsより500枚リリースされた。
前者にはDarkspaceのメンバーが、
後者にはTrist等のメンバーが絡んでいる。

  • Paysage d'Hiver

ザラついた猛吹雪を彷彿とさせるかのような音質で
奏でられる神秘的・寒々しいトレモロリフ、アコギ
単調にダカダカと進むドラム、
低い、そして寒々しげなキーボード、
ギャアギャアガナルVo等が絡む。


2曲入りだが、曲が繋がっているため、1曲のようにも聴こえる。
前半(「Schwarzä Feus」)は『Die Festung』を彷彿とさせる
2ビートズカズカ、吹雪トレモロで進むブラックメタル
後半(「Schwarzäs Isä」)はこちらも基本「Schwarzä Feus」と同じだが、
こちらは時折ザラついたリフの上に寂しげなアコギが被さる。
また、どちらもブラックメタル展開へ入る前に、
低音で重く、神秘的に進むキーボードインストが入る。
いつもどおり、吹雪の中のような寒々しさ溢れる音質・トレモロ
そこへ被さる神秘的キーボードが素敵。


『Steineiche』『Schattengang』『Paysage d'Hiver』、
関連バンドDarkspace辺りが好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。
また、FaunaやTrist(ger)、Nihill辺りのアンビエントブラックが
好みであっても楽しめるであろう作品。


  • Lunar Aurora

物悲しげ、そして寒々しく、神秘的に掻き鳴らされるトレモロ・リフ、
アコギ、緩急つけてツトツトと進むドラム、
遠くの方から響いてくる中音域ガナリ、泣き喚きVo、語り、
冷たく幽玄なキーボード、風音・狼遠吠えSE等が絡む。


1曲21分という大作となっており、冷たく、神秘的、
そして緩急をつけて進む、いつもどおり質の高い、
そして若干アンビエントな雰囲気も漂わせたブラックメタル


寂しげで神秘的なトレモロやキーボード、そこへ時折被さる
儚げなアコギが素敵すぎ、21分があっという間に過ぎ去る。
他作品で例えれば、若干の『Zyklus』+『Elixir Of Sorrow』と言った所だろうか。


そんなわけで、『Zyklus』「Die Nacht」、『Elixir Of Sorrow』「Hier Und Jetzt」、
『Andacht』「Findling」、Trist『Hin-fort』辺りが好みであれば、文句無しで楽しめるだろう作品。
そろそろCD化を是非。