• Nokturnal Mortum - Голос Сталі (The Voice of Steel)

ウクライナ産NS・ペイガンブラックメタル、2009年作。
ウクライナのOriana Musicよりリリースされた。
Temnozor等のメンバーが絡んでいる。


ズンズンと勇ましく、そして哀愁を感じさせ刻まれるトレモロ・リフ、ソロ、アコギ、
ミドル主体進むドラム(「Voice of Steel」「Valkyrie」ではブラスト疾走もある)、
ピーヒョロロー笛・ヴァイオリン、ギャアギャアガナルVo、
クリーンVo、神秘的で勇壮なキーボード等が絡む。


前作の流れを汲んだ、大作+民謡要素を混ぜ込んだペイガンブラックメタル
やっているが、『Weltanschauung』とは異なり「Voice of Steel」や
「Valkyrie」ではブラスト疾走がある等、疾走感ある曲も収録されている。
また、『Weltanschauung』のような笛・ヴァイオリン等のあるものの、
割合としては減り、替わりに神秘的なキーボードが前に出てくるようになり、
前作のようなお祭り騒ぎ感は薄くなった印象。
(間々にあったピーヒャララーインストが無くなったせいもあるか)
メタル・ロックな哀愁漂うソロも以前より多めに入っている。


『Weltanschauung』に『NeChrist』の荒々しさ+正統派メタル成分を
若干注入した感じとでも言えばよかろうか。
また、初期程前面には出ていないものの、
キーボードパートも時折初期のような印象的フレーズが聴け、良い感じ。
Varggothのガナリも衰えておらず、これまた格好良し。


「Ukraine」は『Weltanschauung』の「The Taste of Victory」を
より深化させた作品といった趣で、クリーンVoがガナリと共に絡み、
この路線もなかなか。(ゲストVoがいるので、その人が歌っているのかもしれないが)
途中で入る哀愁漂うメタルなギターソロも素敵。


そんなわけで、『Weltanschauung』で疾走感が無くなり残念だった方も、
『Weltanschauung』のミドルパートが好みであった方も、
本アルバムにはどちらの要素も入っているため、
(ブラスト疾走があるのはVoice of Steel「Valkyrie」)楽しめるのではなかろうか。
その他、Munruthel3rd、最近のGraveland辺りが好みであっても、楽しめそうだ。


ちなみに中ジャケには、珍しく全メンバーが素顔で映っており、これまた新鮮。
皆さまイイおっさんになっている。