• Abigor - Time Is The Sulphur In The Veins Of The Saint...

オーストリア産インダストリアル/ブラックメタル、2010年作。
フランスのEnd All Life Productionsよりリリースされた。
Hellbound等のメンバーが絡んでいる。


邪悪に不穏に、荘厳に刻み掻き鳴らされるトレモロ・リフ、
ポコポコ緩急つけて進むドラム、中音域でガナルVo、
インダストリアルな機械・金属音SE、キーボード、聖歌SE等が絡む。


音質も含め前作の流れを持つ、
インダストリアルな雰囲気と邪悪な雰囲気を
持ち合わせたブラックメタルをやっているが、
本作では2曲で約38分と大作化している。
大作化したということで、以前よりも展開抱負。
Abigorの以前から持つ荘厳さと、前作からの無機質な音質、
Deathspell Omega的展開豊富さ等が融合し、独特の世界観を持って格好良し。
また、本作ではBassが目立っているのも嬉しい。


似たバンドを探すとすれば、同日に発売のBlacklodge(本作は彼等程打込み路線では無い)、
Cssaba、Diapsiquir、Helel辺りに近いだろうか。


そんなわけで、上記に挙げたようなインダストリアルな雰囲気を持つ
ブラックメタルや前作『Fractal Possession』が好みであれば、
本作も楽しめるだろう作品。

  • Blacklodge - T/ME

フランス産インダストリアル/ブラックメタル、2010年作。
フランスのEnd All Life Productionsよりリリースされた。
The Arrival of Satan等のメンバーが絡んでいる。


エフェクトがかったリフ、ズンズンと刻みこまれる縦ノリリフ、
荘厳・不穏に掻き鳴らされるトレモロ・リフ、
テクノな4打ちビート・切り刻みドラム、
中音域でガナル・語るVo、冷たいキーボード、金属音等が絡む。


同日発売のAbigorと比べると、
Abigorはブラックメタルの中に若干のインダストリアル要素を
詰め込んだ音なのに対し、こちらはインダストリアルに
ブラックメタル要素を混ぜ込んだ感じと言えばよいか。
基本は前作『Solarkult』の流れで進んでいくが、
インダストリアル/テクノな打込み展開がより格好良くなった印象。
邪悪な中にも、インダストリアル/テクノの昂揚・陶酔感が上手く入っている。


そんなわけで、前作が好みであればもちろん、
Aborym、Cssaba、Diapsiquir、Dodheimsgard、Havoc Unit、
V:28辺りが好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。