• Old Man's Child - Slaves Of The World

ノルウェー産シンフォニック/メロディックブラックメタル、2009年作。
Dimmu Borgirの禿ことGalderさんが基本一人で頑張っている。
今回はセッションドラマーとしてDarkaneや元Time Requiemの
Peter Wildoerが参加している。


荘厳でメロウ、そして時にスラッシュ的な刻み・トレモロを入れるギター、ソロ、
アコギ、ミドルやブラストを交え展開多めに叩かれるドラム、
低め〜中音域でガナル・クリーンVo、
薄ら後方に被さるキーボード・ピアノ等が絡む。


ドラムに関してはテクニカルなメタルバンドでプレイするドラマーのせいか、
本作ではブラストの出番は控えめで、ミドルを多く交え、疾走感は低め。
流れとしては『Vermin』だが、若干それよりもテクニカルな叩き方をしている。
リフもそれに合わせ、これまでよりも若干テクニカルになった感じがある。
また、刻みリフを本作では多めに入れているが、これがなかなか格好良い。
キーボードは後ろに引っ込み気味(もちろんキラキラしている時もあるが)となり、
ギターの後ろで薄ら響いている事が多い。


全体の雰囲気としては、Dimmu Borgirの『In Sorte Diaboli』から
シンフォニックさとキャッチーさを減退させた感じとでも言えば良いか。


ズンズン刻みリフで進む攻撃的な「Saviours Of Doom」は格好良し。
他にもピアノで味付けされた「Path Of Destruction」が素晴らしく、
ピアノだけでもう悶絶。


そんなわけで、『In Defiance Of Existence』の頃のような
(1st〜4thは持っていないのでわからないが)
疾走感を求めると戸惑うかもしれないが、彼のミドル作品や、
Dimmu Borgirの『In Sorte Diaboli』『Stormblast2005』等が好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。