• Austere - To Lay Like Old Ashes

オーストラリア産鬱系ブラックメタル、2009年作。
ドイツのEisenwaldよりリリースされた。
Funeral MourningやPestilential Shadowsのメンバーが絡んでいる。
またSession BassとしてDという名前があるが、Vrolokの人だろうか。


寒々しく寂しげなトレモロ・リフ、
ドコドコミドル主体、時折ブラスト疾走を混ぜ込むドラム、
中音域〜Burzum3rdをより泣かせたような「ヒャーヒャー」泣き喚きVo、
気だるげなクリーンVo、うっすら被さる悲しげキーボード・ピアノ
雷鳴・雨音SE等が絡む。


今作もメランコリックなトレモロ満載の鬱ブラックメタルをプレイしている。
「There's Nothing Left」から使われるようになった
クリーンVoを割と頻度多く取り入れるようになり、
儚げなトレモロと気だるげなクリーンVoが上手く合わさり、
美しくも悲しい雰囲気を漂わせている。
また頻度は多くないものの、時折入る疾走展開が良い味を出しており、
特に感情が爆発したかのような絶叫〜ブラスト疾走に入る「This Dreasful Emptiness」は、
鬱な雰囲気はもちろんあるものの、非常に格好良く、気に入っている。
この疾走部分は鬱Voを除くと、Wolves In The Throne Room辺りをも彷彿とさせるか。


音質に関しても以前と比べ分厚く、
良好な部類となっており(『Bleak...』をより分厚くした感じ)、
音質楽曲共に全体としてより質が向上している印象。


そんなわけで、前作『Bleak...』が好みであればもちろん、
LantlosやLiAM、Fen辺りの儚げなブラックメタルが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。