• Nagelfar - Hunengrab im Herbst

ドイツ産ブラックメタル、2009年再発盤。
1997年にリリースされた音源(写真上)に、
1995年Demo『Als die Tore sich offnen 』から
「Fressen der Raben」をボーナスとして追加、さらにリマスターを施したもの。
ドイツのVanよりリリースされた。
現在はThe Ruins of Beverast等で活躍している
Alexander von Meilenwaldさんも在籍。
リマスター・ボーナス音源目当て、そして個人的に気に入っている
レーベル(中の人も元Nagelfarメンバーのようだが)と言う事もあって、購入。


メロウで寒々しく奏でられるトレモロ
時折勇壮・攻撃的なリフ、
ドカドカ緩急つけて叩かれるドラム、
ドイツ語でギャアギャアガナル・気だるげなクリーンVo、
神秘的なキーボード等が絡む。


似た名前のスウェーデンNaglfarと同じく
ロディックブラックメタルと言えるが、
あちらはスウェディッシュなメロディ満載なのに対し、
こちらはドイツ産らしい、神秘的で適度に湿ったブラックメタルをやっている。
音程が若干不安なクリーンVoが危なっかしいが、
ギャアギャア喚き部分やMeilenwaldが叩き出すドラム等は非常に格好良し。
メンバーも重なっている事もあってか、疾走時や神秘的なフレーズ等は、
後のThe Ruins of Beverastに通じる所も時折感じられる。


特に儚げなリフやメロウなピアノ等が絡む14分にも及ぶ大作
「Der Flug des Raben (Ein Jammerschrei in traurig' Nachten)」は、
アルバム最後を飾るに相応しく、非常に気に入っている(本作はその後ボーナスが付くが)。


ボーナス音源については、寒々しいトレモロリフ、しっとりリフに、
適度に疾走するドラム、ギャアギャア高めのガナリ、クリーンVo
が絡む作品となっている。
ガナリは本編以上にヒステリックにガナっており、
音質は本編と若干異なるものの(悪い)、こちらも格好良し。
本編同様、気だるげのクリーンVoも若干入ってくるが、
路線としては、『Virus West』の頃に近いか。


リマスターによる音質の違いに関しては、
若干リフとドラム、キーボード等がはっきりしたように思うが、
劇的に変わっているわけでは無い。


そんなわけで、他のNaglfar(但しクリーンVoも聴ける場合)
音源が好みであったり、The Ruins of Beverast1st、Kerbenok、Frozen Death、
Drautran、Helrunar、Todtgelichter辺りのドイツ産ブラックメタルが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。