• Blood Stained Dusk - Black Faith Inquisition

アメリカ産シンフォニックブラックメタル、2008年作。
メンバーのDageth(Vo)、Agathos(Guitar)が亡くなってしまったが、
それを乗り越え何とGorgoroth(分裂後Infernus側にまた加入)の
PestをVoに迎えて制作された4年ぶりの作品。


寒々しく荘厳、メロウなトレモロ・リフ、ソロ、
パタパタと緩急つけて進むドラム、
ギャアギャアガナル、Dimmu BorgirのVortexを彷彿とさせるクリーンVo、
バックで冷たく・ミステリアスに鳴る
Empera・Dimmu Borgir風ピアノ・キーボード等が絡む。


1stアルバムからそうだったが、
本作もEmperor(1st)や初期Dimmu Borgir、
Satyricon(『Nemesis Divina』)等を彷彿とさせる、
90年代のノルウェイジャン(シンフォニック)ブラックメタルが大好きな
感じが強く伝わってくる作品となっている。
1曲が平均10分台と言う事で、2ndの路線を踏襲した音作りとも言える。
音の変化を探すとすれば、若干音質が向上した事、
上にも書いたようにDimmu BorgirのVortexを彷彿とさせる
クリーンVoを時折(「Coven of the Dying Sun」「Conquering the Avarice of Mortality」)
入れるようになったことだろうか。
また新規加入のVoは、以前のVoのようなヒステリックな叫びはないものの、
これまで在籍していたバンドがバンドなので、安定した良い声でガナっている。


どうでもいい話だが、なぜか中ジャケでは2ページ同じ写真でPestが紹介されている。
ミスプリントなのか、よほどPest加入が嬉しくて載せたかったのか、よくわからない。


この90年代シンフォニックブラック大好きな音を出している
他バンドを探すとすれば、同じくアメリカのCrimson Moonや
今は亡きスペインのArgar辺りだろうか。


そんなわけで、1st、2ndが好みであった方、
Arcturus(ブラックメタル期)、Emperor(1st)、
初期Dimmu Borgir、Crimson Moon、Argar等の
シンフォニックブラックが好みであれば、本作も気に入るであろう一枚。