• Horna - Sanojesi Aarelle

フィンランド産プリミティブブラックメタル、2008年作。
Korgonthurus、Hoath、Sargeist、Mortualia、
Alghazanth、Vitsaus…etcのメンバーが絡んでいる。
メンバーがやっているレーベルではなく、
フランスのDebemur Mortiよりリリース。


チリチリザラザラした音質で奏でられる寒々しい・悲しげトレモロ
ドゥーミィー・オールドスクールなズンズンリフ、陰鬱リフ、
バタバタ緩急をつけて叩かれるドラム、
ギャアギャアフィンランド語で喚くVo等が絡む。


本作は2枚組となっており、
Disc1は『Pimeyden Hehku』の路線と言える、
疾走曲・短めの曲を中心とした、
フィンランド的寒々しいリフ・ズンズンリフ、
フィンランド語ギャアギャア喚きといった、
いつものHorna節が冴える一枚(Total:47:50)。


一方Disc2の方は、10分越えが2曲、7分が1曲、8分が1曲と、
『Aania yossa』の流れを汲んだ大作路線となっている。
ただ、『Aania yossa』は暗くジメジメ・ズンズンと進んだ作品だったが、
こちらは悲しげ・陰鬱・寒々しいトレモロ・リフを多めに取り入れた、
哀愁・悲しげな雰囲気の強いブラックメタルをやっている。
この路線は、彼等の音源としては新しい試みかもしれない。
特に悲しげなトレモロ、ガナリが絡む「Musta Rukous」は、
鬱系一歩手前(または鬱)な雰囲気溢れる作りでかなりツボ。


いつものHornaを聴きたければ、Disc1を、
悲しげな音を聴きたければDisc2をと、
2通り楽しめるアルバムと言える。


そんなわけで、KorgonthurusやFinnentum、Sargeist、
Vitsaus辺りが好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。