• Nyktalgia - Peisithanatos

ドイツ産鬱系ブラックメタル、2008年作。
Sterbendのメンバー等が絡んでいる。


これでもかと悲しさ塗したトレモロアルペジオ
後方で鳴る(ゴシック?)ロック/メタル的にも聴こえる
美しく儚げなリフ、時折ブラストも絡めながら
スロー・ミドルで叩かれるドラム、
Burzum的泣き絶叫Vo、中・低音で唸るVo(Nekrologのみ)等が絡む。


以前の作品も良質な鬱ブラックメタルだったが、
本作はさらに美しさ・儚さ・悲愴感がレベルアップした印象。
泣き絶叫・悲愴感満載トレモロアルペジオ・長い構成と、
所謂鬱ブラックな流れではあるのだが、
そこへ(ゴシック?)ロック/メタル的にも聴こえる美しく儚いクリーンギターを
被せるようになった事が大きな変化だろうか。
特に、バンド名を付けた1曲目「Nyktalgia」や「Peisithanatos」は、
上記リフのおかげで尋常じゃない儚さ・美しさを醸し出している。


攻撃的なブラストとテンション高く掻き鳴らされるトレモロ
陰鬱アルペジオ、上記同様儚いクリーンギター、
低音・中音域で唸る・ガナルVoが絡んだ「Nekrolog」。
憂鬱なBass、物悲しいトレモロアルペジオ・絶叫が
スローテンポで続く鬱楽曲「Pavor Nocturnus」。
この2曲もかなりツボではあるのだが、
「Nyktalgia」、「Peisithanatos」は特に悶絶。
この2曲のみで16EUR出して良いとさえ思わせる。


そんなわけで、前作が好みであればもちろん、Brocken Moon、
Helvetespine、Forgotten Tomb、Shining(最近の)辺りが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。
上記バンド以外でも、とりあえず鬱ブラックが好みであれば楽しめそうな一枚。