• Darkspace - Dark Space III

スイス産ブラックメタル/ダークアンビエント、2008年作。
Paysage d'Hiverのメンバーが絡んでいる。
イタリアのAvantgarde Musicよりリリースされた。
写真はDigipak盤。


空間的でミステリアス、吹雪のように寒々しいトレモロ・刻みリフ、
時折スロー〜ミドルを入れながらズタタタタタと疾走する打込みドラム、
真っ暗宇宙を体現したかのような冷たいキーボード、
遠くの方で聴こえる絶叫Vo等が絡む。


2ndでの20分を超える大作曲等と比べると
若干コンパクト、1st程度の曲時間になっているが、
路線も同様に1stに近い感じか。
Dark 2.9のようなパワエレ/インダストリアルのようなインスト楽曲も、
本作ではDark 3.15(3分34秒)のみとなっている。


「Dark 1.4」「Dark 1.7」等の楽曲がかなりツボだった自分としては、
本作での「Dark 3.13」、「Dark 3.14」、「Dark 3.16」、「Dark 3.17」のような重苦しい
刻みリフの入った楽曲が特にツボ、そして悶絶。
まるで宇宙の暗闇から何かが迫ってくるかのような不穏感が素晴らしい。
悪く言ってしまうと1st、2ndのインパクトを超えるほどの新しい音・アプローチは
聴かせてはくれないのだが、安定した良質の楽曲である事に間違いあるまい。


不満なのは、以前の作品もそうなのだが、
最終曲が終わった後、宇宙の静けさを表現するためか
わからないが、無音部分がやたら長いところ。
他ジャンルにおいても、シークレットトラックに
無音状態(4秒5秒等ではなく、何十秒〜数分の)が入ることがあるが、
これは個人的に萎える。


そんなわけで、大作2nd路線というよりも、1stに近い展開となっているので、
1stが好みであったり、Lunar Aurora『Andacht』、Trist(ger)2ndの一枚目、
Vhernen辺りが好みであれば買って損無しな出来。


華奢な体つきで女性ぽいな〜と思っていたZorghが
やはり女性であるという事を、先ほどyoutube見て知る。