• Kosmokrator - To the Svmmit

ベルギー産デス/ブラックメタル、2014年自主制作100本DemoTape。


ズンズンと汚く、重苦しく鳴らされるリフ、
荘厳・神秘性を感じさせるトレモロリフ、
緩急をつけてボコボコ叩かれるドラム、
ゆっくり吐き出される低音デスVo、ウギャウギャガナルVo、
聖歌(?)・宗教的なSE等が絡む。


暴虐・残虐性あるVoや展開、神秘性あるトレモロ等を効果的に
混ぜ込んだデス・ブラックメタルを展開している。
雰囲気としてはオーストラリアのPortalやスペインの
Teitanblood等が近いだろうか。
Voはデス色が強いものの、神秘性あるトレモロ等も結構聴くことができるので、
デス・ブラックと聴いて敬遠するような人も楽しめるのではないだろうか。
音質も自主制作とは思えないほど良く、こちらも音質がPortalに似ている。


そんなわけで、3曲入りと少ないのが残念ではあるが、
Demoとしては非常に良い出来なため、上に挙げたような
神秘性を感じさせるデス・ブラックメタルが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。アルバムが楽しみだ。

  • Theoria - Mantra

シリア産アトモスフェリックブラックメタル
2013年にフランスのAntiq RecordsがTape化、
その後2014年同レーベルよりCD化された。写真はCD版。
Crescent Moonのメンバーが絡んでいる。


暗く、神秘的にかき鳴らされるトレモロリフ、
重苦しく刻まれるリフ、アルペジオ
時折疾走するがミドル主体で鳴らされる生っぽい打ち込みドラム、
ウギャウギャガナルVo、薄ら被さる靄のようなキーボード・ピアノ等が絡む。


ジャケもそうだが、全体的に暗く神秘的空気が漂う
ブラックメタルを展開している。
暗く適度に陰鬱な雰囲気・展開はアメリカのXasthur(ただし音の輪郭ははっきりしている)、
重苦しく刻まれるリフ・展開はスイスのDarkspace等に通じるだろうか。
彼らが実際音を聞いて影響を受けているかはわからないが、
Xasthur+Darkspaceと言えるようなアルバム。
シリアというとニュース等で映し出される倒壊した建物等混沌とした風景が
思い浮かび、音の方もペラッペラ・シケッシケなのではないか?
と聴くまで思っていだが、まったくそんなことはないので、
音質が気になっている人も安心だろう。(むしろペラッペラな方が良い人もいるだろうが)
例えるとこれまたDarkspace等に近い音質。


そんなわけで、上に挙げたようなアトモスフェリック/アンビエントブラックが
好みであればもちろん、カナダのNeige et Noirceur、スイスのBorgne、
スウェーデンのBloodline等が好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。

  • Azaghal - Madon sanat

フィンランドブラックメタル、2015年作。
フィンランドのHammer of Hateよりリリースされた。
Vultyr、Wyrd等のメンバーが絡んでいる。


スラッシーでノリ良く刻まれるリフ、寒々しくメロディックトレモロ
緩急つけてドカドカ叩かれるドラム、ウギャウギャフィンランド語でガナルVo、
時折被さるクリーンVo等が絡む。


前作『Nemesis』ではキャッチーさを抑えたのが仇となり、
地味なアルバムという印象であったが、本作ではノリ良い、
キャッチーなリフも割と頻繁にいれており、聴きやすくなっている。
『Teraphim』路線に戻ったと言えばよかろうか。
ザクザクしたリフと適度にキャッチーなVoは、ライブ映えしそうである。
似た路線のバンドを探すとすると、メンバーが絡んでいたVultyrだろうか。
ノルウェーのImmortal等も近いかもしれない。


そんなわけで、『Teraphim』『Omega』『Codex Antitheus』辺りの路線が
好みであったり、上に挙げたようなザクザクしたリフと寒々しいトレモロ
入ったブラックメタルが好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20110111
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20091004

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20090318

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20080331

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20071106

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20070916

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20070903

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20060927

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20060730

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20051206

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20051110

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20051030

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20050826

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20050712

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20050705

  • Archgoat - The Apocalyptic Triumphator

フィンランド産デス/ブラックメタル、2015年作。
フランスのDebemur Morti Productionsよりリリースされた。


ズンズン重く激しく刻み鳴らされるリフ、時折入るテンション高いイカれギターソロ、
重苦しいスローミドルを時折混ぜながらも基本疾走するドラム、
グオグオ汚らしく吐き出さられる低めのデスVo、
時折薄らと被さる怪しげなキーボード等が絡む。


良くも悪くも『Whore of Bethlehem』から音質、展開ともに大きく変化ない、安定の暴虐デス/ブラックを展開。
初期Sarcofagoや初期Bathory等の要素を吸収したバンドともいえるが、
似た路線から始まった同じフィンランドのBeheritが作風を大きく変化させているのに対し、
こちらは安定してどの曲も荒々しく勢い・重さのある武骨な楽曲で統一されている。


Darkthrone型にある寒々しいトレモロ展開は一切なく、デス色がとても強いので、
その辺りが苦手な人には注意が必要だが、初期Beherit、Black Witchery、
WichTomb等の荒々しいブラック・WarBlackが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20111024
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20110612
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20100612
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20061108