• Behemoth - The Satanist

ポーランド産デス/ブラックメタル、2014年作。
Azarath等のメンバーが絡んでいる。


荘厳でメロディックトレモロアルペジオ、ソロ、
ザクザク攻撃的かつ重苦しい刻みリフ、
緩急つけてズドズド叩かれるドラム、
低くドスの利いたガナリ・デス声、
ミステリアスに被さるキーボード等が絡む。


『Satanica』辺りから出すたびにブラックメタル的寒々しい要素が
減少していった彼らは、前作からブラックメタルトレモロ
雰囲気を取り入れるようになったが、本作もその延長と言える作品。
タイトル『Satanist』もそうだが、ブラックメタルトレモロ
アルペジオ等を割と入れるようになり、Voも完全なデス声のみというわけでなく、
ブラックメタル的ガナリも入れるようになったため、ブラックメタル色がより強くなった印象。
(若干Funeral MistのAriochぽい歌い方な場面もある)
『Satanica』以降で考えれば一番ブラックメタル要素が入ったアルバムかもしれない。
特に、メロディックブラック的荘厳なトレモロ満載な「Ora Pro Nobis Lucifer」、
ブラックメタル的陰鬱さ感じるアルペジオ、メロウなトレモロ、ソロ、
爆走ブラストが絡むタイトル曲「The Satanist」は素敵。
一方で中近東ぽい雰囲気は薄れたため、Nile的な作品を期待していたら注意。


そんなわけで、「デスメタル化した彼らはブラックメタル要素が激減したからちょっと…」
と敬遠していたファンにもお勧めできるような、デスとブラック
(彼ら曰くブラック、デス等ジャンル分けはどうでもいいとの事)
うまく折衷した作品となっているので、『Satanica』辺りまでが好きだった
リスナーは、買ってみて損はないのではなかろうか。


ちなみに二枚組になっており、二枚目では音質も良いライブ映像を観ることができる。
大体昨今のライブ曲と似た選曲ではあるが。
さらに日本盤は、Sighの川嶋氏によるライナー、ミニアルバムでリリースされていた
『Ezkaton』から「Chant For Ezkaton 2000 EV」「Qadosh」を追加収録。
すでに上の音源持っていたら別にボーナスでもなんでもないが、とりあえず
「Chant For Ezkaton 2000 EV」はライブでも後半よくやる鉄板曲のようなので、
まだ聴いていない人はどうぞ。実際格好良い。
(アルバム『Satanica』でも収録されているが、最新の別バージョン)


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20110715
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20090821

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20070721

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20070409

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20050427

http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20050628

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