• Sale Freux - Crevecoeur

フランス産ブラックメタル、2015年作。
フランスのFrance d'Oïl Productionsよりリリースされた。
DrakonhailやTrou Noir等のメンバーが絡んでいる。


哀愁漂わせ寒々しく掻き鳴らされるトレモロ・リフ、
哀しげなアルペジオ、アコギ、
緩急つけてペコペコと鳴らされるドラム、
時に歌うようにフランス語でガナリ喚くVo、風や鳥のSE等が絡む。


前作はPeste Noireのレーベルから出しており、
路線も若干Peste Noireの影響を感じさせていたが、
本作ではさらに磨きがかかり、初期Peste Noire+アコギと言った
ようなフランス的哀愁・耽美なブラックメタルをやっている。
Voも明らかにFamineの影響を受けた声の出し方である。
Peste Noireよりも若干だがアコギ要素多いところが個性かもしれない。
哀愁漂うアコギと寒々しいトレモロが絡み合い、
ところどころ脳裏にPeste Noireが浮かんでくるものの格好良し



そんなわけで、前作が好みであればもちろん、
Peste Noireをはじめ、Autarcie等のフォロアーが好みであれば、
本作も楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20111220
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20110826

  • Inexorable - Sea Of Dead Consciousness

ドイツ産デス/ブラックメタル、2015年作6曲入りEP。
ドイツのUnholy PropheciesよりTapeで200本リリースされた。


攻撃的・重苦しく刻むリフ、不穏・不気味なアルペジオ、アコギ、
緩急つけてボコボコ叩かれるドラム、
ゆっくりと重苦しく吐き出される低音Vo、
怪しげな呪詛気味・クリーンVo、ドイツ語SE等が絡む。


前作同様、不穏・神秘的な雰囲気漂わせながら進むデス・ブラックメタル
展開している。ただ前作は音質がクリアだったものの、本作ではこもらせ気味に
なっており、より一層Portalに近づいた感もある。
個人的には、クリアだった前作よりもこもり気味な本作の方が
怪しさが出ていてより良いと思う。


ちなみにA面3曲は自分たちの曲を、
B面3曲はMayhem「De Mysteriis Dom Sathanas」、Immolation「I Feel Nothing」、
Mysticum「Black Magic Mushrooms」のカバーを収録。
MayhemはVoの怪しさが通じるところもあると言えばあるし、
Immolationはデスメタルとして影響を受けているんだろうが、
Mysticumはちょっと意外。大きくぶっ壊すことなく、カバーされている。


そんなわけで、前作が好みであればもちろん、
PortalやOwl、後期Teitanblood辺りの神秘的・不穏な雰囲気溢れる
デス・ブラックメタルが好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20140731

  • Mardraum - Promo 15

オーストラリア産プリミティブブラックメタル、2015年作Tape。
タイトルの通り2015年リリースした4曲入りプロモ音源。
オーストラリアのAustralibus Tenebrisよりリリースされた。


ノイジーな音質ながら寒々しく哀愁漂わせたトレモロ・リフ、
緩急つけてポコポコ鳴らされるRawドラム、
ウギャウギャヒステリックにガナルVo等が絡む。


相変わらずLLN辺りのカルトなブラックが好きなんだろうな、
と思わせる劣悪・アングラに徹したプリミティブブラック。
とはいえ今作では若干、特に寒々しいトレモロにおいて、
Darkthrone+フィランド産ブラック的な雰囲気も部分的に聴くことができる。
Promoということで、カセットデッキに録音してさらにカセットにダビングしたような
ヒスノイズ満載劣悪音質ではあるのだが、その辺も含め怪しさ満載といえようか。


そんなわけで、LLN周辺のバンド、Darkthrone(3部)、
HornaやBaptizm、初期Sargeist等のブラックメタルバンドが
好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/hellkult/20140731

  • Inexorable - Morte Sola

ドイツ産デス/ブラックメタル、2013年EP。
自主制作で1000枚CDとしてリリースされた。


グネグネキュイキュインテクニカルに展開多く掻き鳴らされるリフ、
ソロ、トコトコと緩急つけて叩くドラム、
ゆっくりと吐き出される低音デス、
ほとんど出番はないが呪文を唱えているかのような怪しげなクリーンVo等が絡む。


明るさ・スカッとした雰囲気はなく、
怪しく吐き出すVoのせいもあってか、全体的にジメジメと
魔術的な雰囲気のあるデスメタルを展開。
怪しげなデスメタルというと同じドイツのNecros Christos等がそうだが、
彼らをより勢い或るテクニカルデスに傾倒させた感じとでも言おうか。
若干オーストラリアのPortalなどにも雰囲気が似ているかもしれない。
Suffocation+ Cannibal Corpse+魔術的怪しさとも言える。


そんなわけで、上に挙げたようなテクニカル、怪しげな
デス/ブラックメタルバンドが好みであれば、本作も楽しめるのではなかろうか。